羊水検査とは、染色体を一つ一つ調べてそれら染色体に異常がないか、異常がある場合はどのような異常があるかを検査します。
費用としては高額にはなりますが、かなり高精度高確率の検査です。
検査では母体に注射を差し込み、ちゅーっと抜き出すんです。
後から妻に聞いたんですが、羊水はおしっこみたいな色なんだとか。
羊水の中の赤ちゃんのおしっこや混じった細胞などを抽出し染色体を検査するわけですね。
羊水検査の時期と費用
僕達のお世話になった病院では、検査可能時期は妊娠16~18週、遅くても19週との説明がありました。
確かに万が一の場合、異常有無が判明した場合の振る舞いに明確な”方針”がある夫婦であれば、なるべく早めに受検した方が良いです。
僕たちはあらかじめお互いに明確な方針が決まっていたにも関わらず、法的な期限に対して余裕がない時期に受検したので、万が一の結果が判明した場合、気持ちの整理期間と決断までの時間があまりにも少なかったんです。その猶予期間は、検査結果がわかってから決断するまでに4日程。
ここまで慌ただしいことになるのなら、早めに受検をしておくべきだったと思います。
ちなみに検査費用は135000円程で、その費用のほかに羊水検査を受ける前の事前カウンセリング費用や結果後のカウンセリング費用としてそれぞれで5000円ほどかかりました。計145000円程+交通費などもろもろ。費用は病院により若干異なるかもしれませんが、かなりの費用です。
奇跡の設計図、染色体とは
染色体、というか生物の成り立ちが奇跡すぎるので、病院からもらった冊子やカウンセリングの時にあった説明をもとに、染色体の簡単な説明だけ本題に入る前にしておきたいです。
胎児の染色体は、父親と母親からそれぞれ23本ずつもらいますので、計46本あります。2本1組で全46本23種なんです。
1~22番の常染色体と呼ばれるものに性別を決める染色体がプラスされて全23対となります。
(ちなみに、性別を決める染色体は[XY]で男の子、[XX]は女の子)
染色体とは設計図です。それはそれは緻密で高精度でデリケートで神秘的な設計図です。
病院の方から染色体に関する説明を聞いて、この設計図が誤りなく形成されるのは本当に奇跡としか思えない複雑さと細かさがあると実感しました。
冗談抜きで僕みたいなもんの遺伝子が、こんな高レベルとは思えなかったんです。人間、というか生命はすげえと。感動です。
(お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、ひいおじ・・・、ご先祖様。丈夫な体、というか5体満足に誕生させてくれてありがとうございます。)
この染色体という名の設計に過不足や何らかのエラーがあると、赤ちゃんの体や神経が通常ではない形状に成型されたり成長する上での弊害が出る可能性があるんですね。
例えばダウン症だと、この染色体の本数異常で確認することが出来るようです。
本来23対46本ある染色体なんですが、そのうちの21番目の染色体が、本来1組2本のところ3本存在し全47本、そうなるとダウン症の可能性が高い状態なんです。
ダウン症以外では、13番目や18番目の染色体に異常のあるケースが比較的に多いと説明がありました。
ただですね、染色体に異常があったとしても何も症状も認められないケースもあるとのことです。
んー、これを言われてしまうと、素人としては何をもとに判断をしていいのかがちょっとわからなくなりますが、まぁ何においても100%というのはナイので、現実として表面上には何も変化がないとか、ごく軽度な症状しかないケースがあると理解し、こちらとしては判断せざるを得ないです。
万が一異常が判明した際には、カウンセリングという形で今後のケアをしてもらえるようです。(ここは病院の方針によるかもしれませんが。)
羊水検査の危険性
羊水検査は上記のように母体に針を刺して羊水を抜き取ります。
なので、母体は大丈夫なのか、お腹の赤ちゃんに針は刺さらないのか、などの強く大きな不安があります。僕達はいっぱいありました。なのでいっぱいカウンセラーの人に聞きました。
まず、母体への危険性についてですが、感染症や出血、そして破水などの副作用の可能性はやはり0%ということはなく、「どうしても1%程度はある」とのことです。つまり、可能性は少ないけどリスクは認識して下さい、ということです。うんうん、確かに確実ではないことを理解しないと前に進みませんね。
赤ちゃんへの危険性については、赤ちゃんの動向を逐一エコーで確認しつつ針を刺すスペースを確保するなどして、安全最優先で行われると説明を受けました。
ただやはり、針が赤ちゃんに接触しない可能性がゼロではないので、最悪流産になったり傷がついてしまったり、といったケースもあり得るとのことです。
なんとも言えないですが、これまた確かに100%大丈夫ということはありえませんので、経験豊富な人にお願いするなどでリスクを0.1%でも減らすようにしたいところです。
羊水検査の結果は夫婦そろって
羊水検査では、抜き取った羊水を培養し細胞を育てたうえで染色体の状態を調査するようです。
培養完成までに数日間かかるのと、46本(性別決定の染色体を省いたら44本)に対してかなり細かな調査をするので、検査結果の報告を受けれるのは羊水を抜き出した日から約3~4週間程かかります。
検査結果の告知日には、当然夫婦二人で病院に行きました。
結果告知は午後からだったので、僕は仕事を午前中に切り上げて妻と病院近くで待ち合わせをし、お昼ご飯を一緒に食べて、なんとなく検査の話や電車に乗り遅れそうになった事、昼飯が美味しいなど他愛のない話をしながら、裏ではお互い自分なりの覚悟をまといつつ、病院に向かいました。
でも、目的の病棟に向かう道中では妻の言葉数が変に増えたり、会話途中でも心ココニアラズということは伝わってきます。僕はその妻を支えるつもりでいるのですが、情けないことに、さほど大差はナイ。
自分の頭の中では、結果告知を受けてる場の漠然としたシミュレーションの繰り返し、万が一があった場合の振る舞い、今後の事、その場で聞いておくこと、必要以上の不安を与えないように挙動をどう繕うのがイイかなどの、その場を乗り越えるための思考だけがグルグルと回るばかりです。自分たちが乗り越える為の算段のみが頭にある状態ですね。
フワフワです。
”異常があったらあきらめる”という僕達の方針からして、この検査結果次第で0か100か、の違いがあるから、と今は思います。この検査結果の内容がこの時点では僕達の全てだった。そら必死ですよ。あたりまえです。あとがないので。次は「ナイ」と思ってるので。
今思うとですね、何時間考え込もうとすでに結果は出ているわけなので、考えても何も変わらない事なのですよね~。
長々と僕達のことを書いてしまいました、すみません。
何が言いたいかというとですね、羊水検査の結果報告の時は、夫婦そろって病院に行くことをお勧めします。
結果が良かった場合は、その場で夫婦揃ってその安心感や不安からの解放を一緒に分かち合えます。
万が一、異常アリの結果である場合は、一人でこの現実を受け止めるにはあまりにも重すぎます。
それが僕達と同じような”方針”の夫婦であっても、そうでない”方針”の夫婦であっても同じと思ってます。
大事なのは、夫婦にとって大変大きな局面を共有することかと。僕たちはこの経験を以って強くそう感じました。(新米夫婦がエラそうにすみませんね・・・。)
この羊水検査の結果は100%ではありませんが、極めて100%に近い確率で異常有無の診断が可能です。
上述のように費用は安くありませんが、今後の方針が決まっている夫婦や、生前に異常の有無を知っておきたい夫婦にとっては、有意義な選択肢の一つと考えます。
おわり。