システム開発業界で経験したくない事個人的トップ5 前編

僕はシステム開発業界でフリーランスSEとして活動してます。
業界歴は15年、最近新たなクライアントの元でお世話になってます。

ここでは「システム開発業界で経験したくない事個人的トップ5」を書きますがその前に、新たなクライアント先で今まで味わったことのない種類の苦しみを経験しましたので、それについてもちょこっとだけ紹介したいです。

【用語補足】
人月:システム開発にかかる工数の単位。
10人月であれば、開発員1人で10ヶ月、4人であれば2.5ヶ月かかる規模の開発。通常1人月は20日あるいは160時間で換算される。
クエリー:データベースのデータを操作するプログラム。操作とはデータの抽出、投入、更新(変更)、削除など。

味わった辛い経験


トップ5と毛色もインパクトも違うしシステム開発業界に限った事でもないんですが、まずはその辛い経験のお話を簡単に。

新しいクライアント先にお世話になった5月は、ちょうど大規模新システム本番稼働直後という状況で皆さんバタバタしてました。
電話→調査→対応→電話→調査→対応→・・・(以下同じ)

稼働後のバグ対応や問い合わせの嵐。見てて痛々しかったです。
しかしこの場合の被害者は新システムを導入したお客様であり、ついでに僕でもあったんです!と思ってます。

辛い経験というのは、案件メンバーが忙しすぎて「新天地で誰にも話を聞けず、聞いてもらえず、相手にされない」事。

僕の頭上前後左右は「何故こんなことが起きるんだ」「この調査はあの人に振れ」などの活気の良い声に支配されてました。参画間もない僕などいないも同じです。
何も出来ない言えない説明してもらえない。
この状況では昼休憩に行き辛いし職場に帰り辛い、そして定時にも帰り辛いです。まあ帰りましたけど。

これ2週間続きました。


その間僕は何をしてたか。

まず、事前に見といてくれと言われた新規参画者用のシステム概要資料を丁寧に20往復くらい読んだのと、メールの設定です。

それと立ったり座ったりもしてましたし、トイレにもいきました。給茶機にはお茶もらいに行ったし自動販売機ではジュースを買うことなく手ぶらで帰ってきたこともあります。何気なしにうっすら笑ってみたこともあったし昼休憩1時間前には何食べようかと僕なりに考えました。

あとExcelやメーラーのプロパティを一つずつ丁寧に確認したり、Cドライブ内のフォルダのサイズを一個一個確認したりもしてました。

もうこんな経験たくさんです。

さて、ここから本題です。


システム開発業界で経験したくない事個人的トップ5」。
個人的といっても、たぶんこの業界の人ならだいたい同じようなラインナップになるかもしれませんが、トップ5から順に紹介。

ベスト5:納品時の原因不明トラブル


丹精込めて作り上げたシステムをいざ納品する時は色々と感慨深く、苦しかった事楽しかった事などここまでの道のりを思い出すものです。

納品は、サーバーの設定を含むシステム導入を行うモジュール一式の納品の他、当日や翌日に新システムの説明会を併せて行う事も多いです。

基本的には現地(お客様の会社あるいはサーバーがある場所)に赴きます。モジュールの納品はサーバー室に入り作業し説明会は会議室ですね。まぁモジュール納品はリモートで行うケースであったり、クラウドでの納品も増えているようですが。

サーバー室ではセキュリティ上、自由に出入りなど出来ないのはもちろん、携帯電話の持ち込みが禁止されていたりお客様が常に立ち会う会社が多いです。多いですと言うか、セキュリティのない会社は経験ないですし、今の時代ほぼ皆無のように思います。

この現地納品で何かトラブルが発生した時というのは、会社どころか外界から切り離された孤立無援状態ですので、嫌な汗が止めどなく溢れ出ます。

そうならない為にも納品本番前には可能な限り自社サーバーを使い何度か納品リハーサルを行います。
が、何度綿密なリハーサルを行っても発生してしまうのが原因不明トラブル。正確には「原因不明」は発生した時の事ですので、想定外事案が発生したという意味で想定外トラブルと言えます。

通信手段も限られ孤立無援状態で発生する原因不明・想定外トラブルは心細い事この上なし。
なんでこんな意地悪するんか、と本当にそう考えてしまいます。

特に納品後に偉い人が出席する説明会や報告会などが予定されており、完了時間必達の場合はほんと死にたくなるくらい焦ります。さらにその偉い人など出席者が遠方よりわざわざこの日の為に参集するとなれば、カミナリでも落ちてくれんかと本気で思うし、今日はビール我慢しますから誰か正解を、頼むから正解を教えて下さいと心の底から思うし、心が弱った末の一時的謙虚といいますか、子供の頃に意地悪してしまった子を思い出し謝罪したい気持ちになることもあります。それほど切羽詰まり辛いです。
まぁ通常はトラブル発生を想定し、1日ほど余裕をもたせたスケジュールにしたり、難易度が高いのが最初からわかってる場合は説明会を組み入れないです。

一言でトラブルと言ってもさまざまあります。
ここ詳しく書くと専門的過ぎるので割愛しますが、何故かデータベースの作成に失敗する、システムの画面(Web)が表示されないなど。大概はプロキシの設定やポートが開いていないなど他愛の無いことが原因です。

ある意味客先というのは敵地なわけで、スケジュール必達などのプレッシャーもある中ですので、不安と焦りで普段通りの振舞いが出来ないことが多いです。

絶対確実なことなどありませんので、何度納品経験をしても毎回胃が痛くなります。

頼むから何事もなくすんなり行ってくれ。


納品前夜はそのように祈りながら寝ます。

次、中編につづきます。

おわり。

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