人生1度目の新築一戸建を買ってみた。 ~ 引越 ~

人生1度目の新築一戸建を買ってみた。

 

4月28日(金)、ついに新居へ引っ越す日。
現在の家に住み始めたのは2007年6月1日で2017年4月末だから9年11ヶ月住んだことになります。

条件の良い、住みやすい家でした。
スーパー、コンビニ、薬局、クリーニング、ケーキ屋へは徒歩1分圏内、徒歩5分圏内にある飲食店は10件以上、駅へは徒歩7~8分などの利便性、環境面では間取りは2DKで一人暮らしの時は充分な広さだけどその割りには家賃が安く、陽当たり良好で風通しも良く、騒音もたまに暴走のお兄ちゃんや乱暴なトラックの音が気になる程度。

僕にとっては申し分のない家だったので少し寂しくもあるけど、いつかは引っ越す日が来ますね。
それが今です。結婚をし息子が生まれ、家が手狭になってしまったんです。

今までお世話になりました、という感謝の気持ちでこの日より生活拠点を新居に移します。

 

何も荷造りが出来てないという罪悪感


さあ、なっとうまる家の新たな門出。出発だ!
と右腕の一つでも挙げて意気揚々と行きたいところですが、実は引越当日であるにも関わらず引越準備がほとんど出来ていません。

引越屋さんが13時に来ます。
決済から今日までの1ヶ月、いったい何をしていたのか。
もちろん、毎週最低1回は新居に荷物は運んでました。
しかし自家用車(日産CUBEマイルーム)で1度に運べる量というのはたかがしれてまして、結局は総量の5%くらいしか運べてませんでした。あんだけ頑張ったのに。残95%は悲しい。

と言いたいところですが、すみません言い訳でした。
こんな状況になったのは車の積載量のせいではなくやるべき事が出来てなかっただけです。

 

自慢じゃないけど本当に準備出来てません。
いかに出来てないかと言うと、残95%の内の8割の箱詰めすら終わってない状態。残95%とは量で言うと3トントラック1台分弱。

追い詰められないと本気を出せない体質がここでも登場です。

しかし、あまりにも不準備なこの状況。
これは引越屋さんに対してすごく失礼だという罪悪感と、今日中に終わる気がしないという恐怖みたいなのをこの期に及んでやっと感じたわけです。

相当マズイ。
前日は夜中の2時まで、当日は朝の8時に起きて必死で荷造りをしました。
休むことなく、水分や食事をとることも忘れタバコも吸わず、ひたすら段ボールに詰めまくりました。

途中で当時11カ月の息子がオッパイオッパイと泣くんです。それに応えようといつもの調子で妻がオッパイをあげようとするんです。可哀想ですからね。

でもね、僕も可哀想と思うけどね、それが母性なのかもしれないけどね、今はね、勘弁してくれ。
のんびりしてる時間は無いんだ。オッパイはサッとあげて、後はミルクにするんだ。今は少しでも手を動かしてもらえないか。

息子よ、本当にすまんな。
親が引越準備をサボったおかげで悲しい思いをさせて。
この数時間だけ我慢してくれるか。これが終われば広い家で遊べるよってに。遊べるよってにな。

 

 

阿修羅

荷物多すぎ。ナメてました。

本気出せば半日でなんとかなるだろとか思ってたけど、夫婦二人だけで、しかも息子の世話をしながらでは到底半日なんかで終わる量じゃなかったんです。

 

あ、
もう無理かも。
助っ人ほしい。
3人お願いします。
大学3回生くらいの屈強男子1人、テキパキ几帳面女子1人、それと保育歴30年のキャリアを持つおかあさん1人の計3人をお願いします。

想定外に時間をくったのは、食器や割れ物に新聞紙などの緩衝材を巻く作業。これかなり手間です。もうこれくらいは事前にやっときゃよかった・・・。

 

不幸中の幸い?だったのが、前の現場が大変だったみたいで引越屋さんの到着が30分ほど遅れたことです。まぁ30分の猶予をもらったところで挽回できるような量じゃないですがね。

もうあれです。終盤には何をどこに入れているのかすらわからないし、そんなことはどうでもよくなります。
割れ物?
そんなもんはちゃんと「割れませんように」とお祈りをして裸のまま段ボールにぶっこむんです。

 

手当たり次第にモノを掴み、目の前にある段ボールに入れる。
右手のモノを段ボールに入れ、その反動を利用し左手のモノを段ボールに入れている間に右手は既に次のモノを掴んでる。
手の動く限り繰り返されるこの光景は、まるで阿修羅のごとき、と人は言うとか言わないとか。

 

 

詰め込めるだけ詰める


引越屋さん3人が30分ちょい遅れて到着ましたが荷造りはまだ終りません。

既に罪悪感の塊でしたので、なんとなく引越屋さんから貰ってた段ボールが足りなかったから作業が進まなかった、と責任転嫁を目的とした言い訳をしておきました。まぁ実際に足りなかったし衣服はハンガーボックスの到着を待ってからですからね。

(段ボールは枚数に制限はあるかもしれないけど基本的には無料で提供してもらえます。ハンガーボックスも数台であれば基本的には無料で貸してもらえます。)

荷造りの済んでいるモノや家電などの大型を運んでもらってる間に、阿修羅ばりの荷造りを再開。

 

それにしてもプロの引越屋さんはやっぱすごいですね。我が家は2階なので十数段の階段があるんですが、段ボールは基本的に1人1度に3箱ずつ、100キロもある冷蔵庫は2人がかりでペロンと運んでいきました。

運ぶ荷物がなくなってションボリしている引越屋さんには、もうちょっとだけ待ってもらえますか、とお詫びの缶コーヒーを渡して車で15分ほど待機してもらいました。

今日全ての荷物を運んでもらおうとは思ってないし、それは無理です。
完全に家を引き渡す月末までは2日ほど猶予があるから、妥協すべきは妥協です。

しかし、1つでも多くの荷物を運んでもらわないと自分たちで運ぶ荷物が増える羽目になる。

もはやどこに搬入してもらうのかすらわからないゴチャ混ぜ段ボールを最後のあがきで10個程作り、最終便としてねじ込んでもらいました。

 

15時にやっと搬出完了。(出来る限りのね。)

朝の8時から飯も食べず休憩もロクにとってないから、疲労感は今までにないレベルに達しておりグロッキー寸前です。

しかし休憩は出来ません。
これ以上引越屋さんに待ってもらう事は出来ないし、そろそろ新居のほうに電気屋さんが洗濯機の納品に来てしまう時間です。即、車で新居に向かいましたよ。

話をする気力はゼロ。
目の動きは必要最低限。
飯を食いたいと思わない。
車外の人がたまに人形のように見える。

魂が抜けかけていたんでしょう。車を運転したらダメなレベルだったのかもしれません。

 

 

冷蔵庫、入らないんですか


さて、新居に到着してもまだ休むことは出来ません。ある意味今からが本番です。

でも不思議なもんで、何故か新居に着いたら疲労感がほぼリセットされました。
これが疲労の限界を超えた先の世界、何とかミン的なものが分泌されたのでしょうか。
翌日の副作用が恐ろしい。

ずいぶんと待たせてしまった半ギレ状態の電気屋さんを対応しつつ、引越屋さんの車を誘導し、チラ見してくるご近所さんに「お騒がせしております」と詫びながら、家電や段ボールの搬入場所を一つ一つ指示しなくてはいけません。

どこ行きかよくわからない荷物が多いこと多いこと。
そういうのは全て2階のリビングに集約します。 運び直す時のダメージを考えると中間階が安全なんです。わかりましたか。
まぁそんな事にならないようちゃんと準備してれば良かっただけの話ですが。

搬入でも引越屋さんはペロンペロンと段ボールや家具、冷蔵庫以外の家電を運び入れていきます。どこにそんだけのパワーが残ってんだと。同じ人間のオスとは思えません。霊長類最強とか呼ばれてる人はおそらく怪物なんでしょう。

そして最後に、我が家で一番の大物である冷蔵庫を2階のリビングに搬入してもらって終了。

となるはずだったんですが、やはり階段からのルートでは搬入できませんでした。
10分ほど頑張ってくれてましたが、階段手すり部分のほんの2~3センチほどが引っ掛かりりどうしてもダメだったようです。

事前に引越屋さんの営業さんには「懸念事項」として伝えていたんです。おそらく階段からの搬入は出来ないのではないか、不動産屋さんにもそう言われたと。
しかし、営業さんは力強い口調で「そのルートが無理ならベランダから手動で吊り上げるのみ。我々はそういった事が出来のだ。わかったか。」と言い切ってくれました。

しかし、現場の意見はこうです。
・この重量を3人程度の人間の力だけで吊り上げるのは無理
・ベランダにむけて梯子を架けるにも地盤が(土で)ユルいからそれも出来ない
・費用はかかるけどユニック(吊り上げ用の重機)を呼ぶしかないのでは

 

お い 。

おいこらおい。
なんじゃい逃げ場をふさぐようなその言い方は。

お宅が出来ると言い切ったからお願いしたんですが。
優しく何度か現場リーダーにそう訴えました。

するとリーダーは会社に電話をし始め、しばらくするとその営業さんがジャジャーンと登場したわけです。

よっ!当事者
よっ!言い出しっぺこの野郎

 

どうも計4人で2階のベランダまで吊り上げて搬入するようです。

「(吊り上げるとか)適当なこと言いやがって。やれるもんならやれや。あいつ来ても手伝わんとこか(笑)」
営業さんを待ってる間の引越屋さん3人からこのような会話が聞こえてきたので、仲は良くないみたいです。お願いだからケンカは後にして、今は4人力を合わせて全力投球でお願いします。
いや、マジで。

 

しかし、実際に手動吊り上げ作業が始まると4人は息ピッタリでした。
2階ベランダのサッシ上に2人、ベランダ内に1人、3階ベランダのサッシ上に1人が立ち「よいせっよいせっ」と、見ていて怖いくらいの全力で全身を震わせながら吊り上げてましたよ。

15分ほどかけて2階リビングへの搬入は無事に終えました。
プロの仕事でした。
やっぱすげえな、さすがです。どうもありがとう。

 

とか思いながらも、

冷蔵庫落としたら弁償してもらわな。まだ2年しか使ってないし高かったし。
というか、あんな重みかけてベランダ大丈夫なん。崩れたりヒビ入ったらこれも弁償してもらわなアカンやん。あ、ちょっと待って。ベランダ崩れたり足滑らせたりして不慮の事態とかになったらどうすん。そんなんなったら誰の責任?「ベランダから吊り上げるように」なんて俺から頼んでないし言い出しっぺちゃうし。というかそんなんなったらこの家住みたくなくなるんですが。まだ住んでもおらんのに売る運命?いや、そんなんあったら誰も買わんのちゃうか?不動産屋さん、転売できるように協力してくれへんやろか。どっちにしても、買値より確実に下がるよな。暴落や暴落。。。

などの自己都合的未来予想図をぐるぐると描いていたわけです。
でも、引越し屋さんも冷蔵庫も無事でよかった。本当にありがとうございました。

 

確実にオーバーワークだった1日、2度と経験したくない1日。
アクロバティックでパワフルな引越でした。

 

 

 

おわり。

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