”大王”の町です。大きな王様の町。名前の由来はよくわかりませんが、かっこいい名前。
志摩市の中心地阿児町の南に位置する町で、この町にも電車は走ってません。
車移動の場合は、鵜方駅から大王町中心部まで15分弱、バス移動の場合は20~25分程です。
大王町は絵描きの町を称してます。石垣や灯台などの風景が素晴らしく、港の近くでは絵描きさんをよく見かけます。僕、この大王町の出身なんですが小学校の写生大会ではそんな街並みを描いたな。
大王崎の灯台は、安乗岬の灯台と同じように日本の灯台50選にも選ばれています。
灯台付近の石垣の街並みや海の景色は特にいいですよ。
若い頃は「『絵描きの町』って・・・、お金になんの(観光客呼べんの)?」などと思ってたこともあったけど、今は気に入ってます。
だって、不変じゃないですか。モノだったらそれを他でも売りにしてると、張り合わなったりしないといけなくなりそうだし、流行りすたりもある。さみしくなりそうな気がします。「ウチが本家だ、発祥だ」とかさわいでほしくないし、その類は部外者や観光客にとってはどうでもいいんです。知ったこっちゃないんです。
でも『絵描きの町』だったらそうならないと思う。直利益にはならないかもしれませんが、売りの風景は恒久的にあまり変化はなく、絶対的な価値として末永く愛されそうだし。不変の価値というやつでしょうか。
ちなみに、以下青矢印の青枠で囲った地区で多くのいい感じの風景や石垣の街並みが見れます。繰り返しですが景色いいですよ。興味のある方もない方も散策してみて下さい。
大王町の波切という地区には、
9月に『わらじ祭り』、2月に『汗かき地蔵祭り』という祭りがあります。
『わらじ祭り』とは簡単に言うと、その昔デカイ乱暴男「ダンダラボッチ」が海の沖から現れ、波切の村を荒されました。「いい女はいねえのかぁ」などと言いながら。おっかないですね。
村人はハラワタが煮えくり返り苦虫を噛み潰したような顔をしていたそうです。
このダンダラボッチをビビらせる為に「お前よりもっとどえらい男がこの町にはおるんやぞ」という思いで一畳ほどもある大きなワラジを作りダンダラボッチを追い出したそうです。そんな言い伝えを祝ったお祭りです。
まあ、今では大漁祈願・海上安全祈願のお祭りなんですけどね。
昼は中学生と青年団がわらじの御輿を担いで町中を練り歩き、幼稚園児も御輿を引いて歩き回ります。また「わらじ流し」といって、灯台下の海岸「須場の浜」から町の若い衆数人で数百メートル先の「大王島」へワラジを運ぶ行事があったり、夜には小規模ではありますが港付近で花火が打ち上げられます。
小規模とは言いましたが、幼い僕にはこの花火大会がこの世の全てのようでした。
『汗かき地蔵祭り』は、その昔ある漁師の網に石像が何度も引っ掛かり、不思議に思った漁師がその石像を引き上げてお祀りしたところなんとその石像は、その年が良い年であれば白い汗、悪い年であれば人々の苦しみの代わりに苦しい黒い汗をかいたといういわれがあります。太平洋戦争終戦の年には黒い汗をかいたということも言い伝えられてます。このテのビデオを小学生の頃、祭りの当日に見せられた、いや、見せてもらったものです。
このお地蔵様は港近くの堂の山という、地元民は厄除けでも訪れる薬師如来の祀られている山に祀られており、首が少し傾いていてなんか愛嬌のあるお地蔵様なので、僕は昔から好きです。
大王町の西側の登茂山(ともやま)という場所では、英虞湾の素晴らしい景色が見れます。
大王町の港や中心地から車で10分もかかりませんし、鵜方駅からでも15~20分程の場所にあります。
この登茂山、’山’といっても登山するような山ではなく、森林公園のようなところでリゾートホテル・別荘・公園が散在しており、春は桜、夏はバーベキューと海水浴(次郎六郎海水浴場)、秋は紅葉がキレイです。特に秋、春のぽかぽかしてる時期がお勧めです。
一角にあるともやま公園は広い芝生の公園のほかに、アスレチックがあったり森林散策を楽しめたりとお子さんにとっても一日中楽しめる場所です。
大王町内のお勧めしたいホテル
大王町は、阿児町や浜島町と比べるとホテルの数は少ないです。
ともやま観光ホテル(リゾートパークともやま)
この登茂山に昔からある(老舗)リゾートホテルです。多くがコテージタイプになっており敷地がかなり広く、上記のともやま公園や次郎六郎海水浴場へも、頑張ればテクテクと徒歩で行ける距離(2~3キロ)にあります。昔からあるホテルで、本当に良いところです。
ホテル近鉄アクアヴィラ伊勢志摩
このホテルも登茂山にあり、2007年に開業したリゾートホテルです。キレイですよ。
昔は日本郵政公社の「メルパール」という施設(ホテル)で、僕も当時何回か遊びに行きました。当時からバイキング(今はビュッフェと言うんでしたね)がすごく人気で美味しかったです。
温泉やスパなどが充実してまして、他県の友人が遊びに来た際に2度程、紹介&一緒に泊まろうと思ってたんですが、残念ながらいづれも予約取れずでした。
しあわせの里 葉瑠香
大王崎の近くにこれまた昔からあるホテルです。大王崎の灯台までは徒歩圏内ですし、港に近く釣り場も付近に多いので、家族連れや釣り旅行の方には特にお勧めです。大きな宴会場もありでかい船盛りの用意もなので、会社や仲間内での慰安旅行の受け入れも万全のホテルです。
ちょっとホームページが見当たらなかったので、地図だけ載せておきます。
大王町に関しては、今後も「盆のかさぶく」や「盆踊りの歌」、「大晦日の名のり」など地元の文化を機会を見て追記していきたいと思います。
おわり。